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REPORT vol.12

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女子中学校で特別授業「私たちと生理」を実施!学生たちが実感した、生理の話をする大切さ【ハートサポートプロジェクト2024】

ハートサポートプロジェクトは、改めて自分の生理に向き合い、生理をめぐる環境を考えることを目的に、2024年3月15日、日本女子大学附属中学校で特別授業「私たちと生理」を行いました。

講師を務めるのは、オモテテ代表の髙堰うららさん。オモテテは商業施設や駅など、外出先のあらゆるトイレの個室にて生理用品が取得できる世の中を実現しようとしているIT企業です。

前半では、髙堰うららさんが生理についての基本的な知識を共有した後、班ごとに特別授業を実施。学生たちは事前に考えた「あなたにとって生理とは?」をテーマとしたワークシートを基に話し合いを行いました。
その後、それぞれの班が話した内容を全体にシェア。「女子校だけど、意外と生理の話をしたことはなかった」「人によって結構違う」といった感想が目立ちました。

「食欲が止まらない、眠いといった“生理あるある”で盛り上がったけど、人によって重ならないところもあり、友達同士で共感できない部分もあるんだなと思った」

「改めて生理の話をしてみると、それぞれ違うところがあって。でも生理という起きていること自体は同じだから、意見共有ができて面白かった」

「親の生理が軽くて子どもの生理が重い場合、親に大変さを理解してもらいにくいと感じる。学校を休ませてもらえなかったりするので、生理の個人差を教えることも重要だと思う」

「いろいろな種類の生理用品があるけど、使うのに手間がかかったり高かったりという課題があるなと思った」

「共学出身者の中には、生理の授業を男女一緒にやった結果、男子が生理になった子をからかうこともあったと聞いた。男の子に生理のことを教えるのが早すぎるのも問題かもしれないと感じたけど、最終的には男女とも同じくらいの生理の知識がある状態が理想だとは思う」

後半は再び髙堰さんの説明からスタート。「アブセンティーイズム(病状などによって学業や仕事を休まなければいけなくなる状況を指す言葉)」「生理休暇」「生理の貧困」など、近年特に取り上げられるようになった生理に関するトピックスの歴史的背景や国際比較を紹介し、それらの根本に潜む問題は何なのか、学生たちに問いかけました。

続いて、大王製紙の生理用ナプキン「elis(エリス)」担当者出野さんが、エリスが行う2つの活動、「奨学ナプキン」と「ハートサポートプロジェクト」について紹介。

「奨学ナプキン」は、2000人の学生を対象に1年間無償でナプキンを配布する取り組み。1回の募集に約9000人もの学生から申し込みがあったこともあり、「生理で困っている人がたくさんいることを実感しています」と出野さんは話します。

もう一つの「ハートサポートプロジェクト」では、ザンビアでの布ナプキンの支援と、支援の拠点となるコミュニティスペースの開設を行っています。過去の活動の一つとして、ザンビアと日本の女の子が生理について話し合った「世界女の子会議2023」の動画を紹介すると、学生たちは熱心に画面を見つめていました。

ここで再び特別授業の時間です。後半で聞いた話を受け、感じたことを班ごとにシェア。前半の特別授業の内容から一歩踏み込んだ、具体的な課題や解決策についてディスカッションが行われました。

「生理の状況はザンビアの方が遅れていると思っていたけど、実際は日本の方が遅れているところもあるのだと知って驚いた」

「これから何十年も生理と付き合うことを考えると、大きな出費がある。生理に関する手当や補助があれば貧困の問題も解決できそう」

「海外は物理的な貧困があるけど、日本は知識の貧困が問題だと思う。男女ともに意識改革が必要だけど、男性から女性に生理の話をするとハラスメントになってしまうこともあるから、そこは難しい」

「女性でも生理に個人差があることを理解しきれていない。まずは女性同士の理解を深めないと、男性にも伝わりにくいのでは?」

「トイレの個室にナプキンを置いたり、トイレットペーパーに試供品のナプキンをつけたりと、生理用品を手に取れる機会が増えるといいけど、それで終わりは怖い。貧血など、生理による体への影響も知ってほしいと思う。パッケージにQRコードをつけるなど、生理の知識を深めるコンテンツが見られるといいかも」

最後に、全体を代表して学生の一人が特別授業の感想を発表してくれました。

「生理はみんなが体験することだから自分ごとにしやすいけど、その一方では個人差もあって、それを互いに理解できていない状況が問題の一つだと改めて理解しました。男女間で踏み込みにくい話題でもあるけれど、壁を越えるためにも、こうやってみんなで意見を共有する機会を今後も持てたらいいなと思います」

生理をめぐる状況にはまだまだたくさんの課題があります。でも、こうして素直に意見を言い合い、現状や問題を知ることが解決への第一歩になる。そんな希望を感じられる特別授業となりました。

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